テアティスは、1929年から1980年まで作られたツァイス・イエナの劇場用の3.5×15の双眼鏡である。黒と金と銀の三種類があり、黒は普及品タイプ。金は真鍮に金メッキで鰐皮張りの高級タイプでずっしりと重い。銀は製造期間が短く希少だ。
テアティスは、1929年から1980年まで作られたツァイス・イエナの劇場用の3.5×15の双眼鏡である。黒と金と銀の三種類があり、黒は普及品タイプ。金は真鍮に金メッキで鰐皮張りの高級タイプでずっしりと重い。銀は製造期間が短く希少だ。
THEATIS
1.10 2005 記述
年代により生産された場所や仕上がりが違うそうだ。ある掲示板に1947年以前のものが仕上げが素晴らしいという記述があった。それぞれに内部に鏡が貼り付けられたケースが付属しているが後期に作られたものには鏡の無いケースが付属していた。もう一つ銀色のタイプは、製造数が少なくかなり珍しいとのこと。暮れにもオークションに出品されたがあまりきれいな状態でも無いにもかかわらず最低落札価格が6桁でとても手が出せなかった。
写真の黒いテアティスは1949年製、金色の方は、1963年製の物でどちらも現役で使おうと思い入手したもの。年代の特定の仕方はそれぞれにシリアル番号がふってありそれによって特定ができる。
昨年ニコンの7倍のミクロン(micron)を入手したのだが特にコンサート会場の前の方では倍率が大きすぎて使いにくいと感じられたこともあり、いろいろと調べていたら3.5倍のテアティスにたどり着いた。ただ生産が終了して20年以上も過ぎていてどのようなものに当たるかが心配だったが、結果は実用には十分と思う。
古い双眼鏡は戦場などで使われたものも多いと思うがテアティスは、3.5倍で名前の通り劇場用で主に使うことを目的として作られているので武器としてはまず使われなかっただろう。
テアティスをこうして手にしてみると、「これはどんな演奏を見たり聴いたりしたのだろうか?1949年というとジャック・ティボーも存命中だ。いったいこれは、どのような旅をしてここまでやってきたのだろう、と様々な空想をしてしまった。
諸元は下の表のようになるのだが(1940年頃のカタログの写しから)
実際の重さを台所用の秤で測ったらゴールドタイプが220グラム強、ケースは140グラム、黒が130グラムでケースは150グラムあった。
室内テストで長イスの前に仰向けに寝ころんで本棚の前に並べてあるCDを眺めていたらタイトルが読めた。最近はほとんどiTunesで音楽を聴いているので所在が不明なものがたくさんあり「なんだあのCDは、こんなところにあったのか。」というアホな使い方をしたりしている (^^;
60センチ位まで寄れるので美術館や室内でも大いに利用出来そうで楽しみだな。さて、今年の出し物はどんなものが来るか。
2011年5月21日 記
ZEISS THEATIS 1931 GOLD
2010年2月だったけれど、ついにぼくのところに戦前(1931年)のGold Theatisがやってきた。実用的には黒が軽くて一番好きなんだけれどGoldの輝き具合が戦後のものと違っていてこれは一段と素敵だな。
ZEISS THEATIS 1951 & 1965 BLACK
縁あって二つの黒いテアティスがやってきた。
一つは1951年製、もう一つが1965年製。
それぞれここにやってきた時期は、1年くらい違うが、金や銀色のテアティスにくらべて100グラムくらい軽くて、143グラムと軽いので実用的にはとても気に入っている。
1965年のほうのブランド刻印が「aus JENA」とこれまでのコレクションと違っているのは、この頃に「東ドイツの国営企業である
カール・ツアイス・イエナと、西ドイツのカール・ツアイス(オーバ コッヘン)との間で商標権の争いがあって、連邦裁判所が判断した「西ドイツ国内で販売する東独ツアイス・イエナの製品に、“CARL ZEISS”の商標の使用を認めない」といった決定に因るものです。とは云っても、西ドイツ以外への輸出向けには「CARL ZEISS JENA」と刻印されてあり、もちろん、中身は同一です。※ この商標権の争いは、何度も繰り返されてやがて和解するのですが。」
とのこと。